退職金税金計算ツール
退職金から所得税・復興特別所得税・住民税を控除した手取り額を即算出(令和8年分)。
退職金が「優遇」される理由
退職金は長年の勤続に対する報奨と老後の生活原資という性質をもつため、給与所得とは別の分離課税で、さらに 2 重の優遇措置が組まれています:
- 退職所得控除:勤続年数に応じて 40 万 / 70 万円ずつ非課税枠が積み上がる
- 1/2 課税:控除後の金額の半分のみに税率が適用される(一般退職)
- 分離課税:他の所得と合算されず累進税率の押上を回避
ただし役員等で勤続 5 年以下の特定役員退職手当と、令和 4 年以後の短期退職手当(5 年以下非役員)には 1/2 課税の制限があります。
退職所得控除額(勤続年数別の目安)
| 勤続年数 | 控除額 | 計算式 |
|---|---|---|
| 2 年以下 | 80 万円 | 最低保証 |
| 5 年 | 200 万円 | 40万 × 5 |
| 10 年 | 400 万円 | 40万 × 10 |
| 20 年 | 800 万円 | 40万 × 20 |
| 30 年 | 1,500 万円 | 800 + 70万 × 10 |
| 35 年 | 1,850 万円 | 800 + 70万 × 15 |
| 40 年 | 2,200 万円 | 800 + 70万 × 20 |
1 年未満の端数は切り上げ。障害が直接の原因で退職した場合は上記に +100 万円。
活用シーン
👔 定年退職前の試算
退職金規程・確定給付年金の見込額から、税引後の手取り額を事前に把握。ライフプラン作成に。
🔄 早期退職・転職
早期退職優遇制度の上乗せ退職金を含めた手取りを試算し、退職タイミングを判断。
📝 経営者・役員
役員退職金の試算。勤続 5 年以下の特定役員退職手当は 1/2 課税が無効になる点に注意。
📑 申告書チェック
「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出しない場合の 20.42% 源泉と、提出時の差額をシミュレーション。
ツールの使い方
- 1退職金支給額と勤続年数を入力(1 年未満の端数は自動で切り上げ)
- 2障害が原因で退職した場合はチェック(控除額 +100 万円)
- 3退職金の種類を選択(通常は「一般」のままで OK)
- 4申告書の提出有無を選択
- 5退職所得控除・所得税・住民税・手取りが即表示
よくある質問
勤続年数の数え方は?
入社日から退職日までを暦に従って計算し、1 年に満たない端数は切り上げて 1 年とします。たとえば 30 年 1 ヶ月勤続は「31 年」として控除額を計算します。同一勤務先での勤続のみカウントします(前職分は通算しません)。
なぜ「1/2 課税」されるの?
退職金は長年の勤続で積み上げた所得が一時的に支給される性質を持ちます。給与所得と同じ累進税率を一気に当てると過大に課税されるため、緩和措置として 1/2 のみを課税対象とします。なお、役員等で勤続 5 年以下の特定役員退職手当は税逃れ対策として 1/2 課税の適用がありません。
短期退職手当の 300 万円ルールとは?
令和 4 年 1 月 1 日以降、勤続 5 年以下の非役員の退職金(短期退職手当等)は、控除後の金額のうち300 万円を超える部分について 1/2 課税が適用されなくなりました。これは役員以外でも短期勤続で多額の退職金を支給する税逃れスキームへの対策です。
「退職所得の受給に関する申告書」を出さないとどうなる?
会社は退職金支給時に退職金総額 × 20.42%(所得税 20% + 復興税 0.42%)を一律源泉徴収します。退職所得控除も 1/2 課税も反映されないため、通常は過大に天引きされます。確定申告すれば差額が還付されますが、最初から申告書を提出した方が手取りが手元に残るぶん有利です。
確定拠出年金(iDeCo / 企業型 DC)の一時金は退職金扱い?
はい、iDeCo・企業型 DC の一時金受取は退職所得として扱われます。ただし、会社の退職金と同年に受け取ると控除枠を合算するため、有利な順序で受け取る「5 年ルール(DC 先受け→退職金 5 年後)・20 年ルール(退職金先受け→DC 20 年後)」の検討が重要です。本ツールでは合算試算には対応していないため、別途確認が必要です。
住民税はいつ・どのように徴収される?
退職所得の住民税は分離課税・現年課税で、退職金支払時に会社が特別徴収(天引き)して市区町村に納付します。翌年度の住民税課税対象には含まれません。税率は道府県民税 4% + 市町村民税 6% = 合計 10% 一律で、政令指定都市は内訳が異なりますが合計は同じです。