CalcEasy
ブログ一覧に戻る
給与・労務

月給から時給への換算方法と最低賃金【2026年版】

高橋 健太
この記事の監修者・執筆者

高橋 健太 (Kenta Takahashi)

ファイナンシャルプランナー (FP2級) / Webライター

金融機関での実務経験を活かし、難しい税金や社会保険の仕組みを「誰にでも分かりやすく」解説することをモットーに活動しています。CalcEasyでは、ユーザーの皆様が自分のお金や制度について正確にシミュレーションできるよう、コンテンツの監修とツール設計のサポートを行っています。

月給から時給への換算方法と最低賃金【2026年版】

「月給を時給に換算したらいくらになるのか」——シンプルな疑問のようで、実は労働基準法施行規則19条という条文に根拠が定められた計算です。 この記事では、その条文を実用ベースに翻訳しながら、月給別の時給早見表、2025年度の都道府県別最低賃金、 そして残業代の根っこになる「基礎時給」までを順番に整理していきます。

「労基法施行規則19条」をかみ砕くと、こうなる

労働基準法施行規則の19条は、月給制で働く人の1時間あたりの賃金を、どう算出するかを定めた条文です。 条文の要約は「月給を、その月の所定労働時間で割る」というシンプルな話。 ただし「その月の所定労働時間」の解釈には、月によってばらつきがあるため、実務では1年を通じた月平均を使うのが標準的になっています。

月平均所定労働時間の求め方

月平均所定労働時間 = (365日 − 年間休日数) × 1日の所定労働時間 ÷ 12ヶ月

時給の計算式

時給 = 月給 ÷ 月平均所定労働時間

月給から時給への換算計算式(労基法施行規則19条に基づく)

(月給→時給の計算式イメージ)

⚠️ 注意:簡易的に「月給 ÷ (1日の労働時間 × 月の勤務日数)」で計算する方法もありますが、 法的な計算では年間休日数から月平均所定労働時間を求める方法が正確です。

月平均所定労働時間を求める3つの数字

計算に必要なのは、年間休日数・1日の所定労働時間・12ヶ月の3つだけ。 年間休日が増えれば月平均所定労働時間は減り、結果的に同じ月給でも時給は高くなる、という関係です。

年間休日数年間労働日数1日8時間1日7.5時間
105260173.3時間162.5時間
110255170.0時間159.4時間
115250166.7時間156.3時間
120245163.3時間153.1時間
125240160.0時間150.0時間

💡 ポイント:一般的な企業は年間休日105〜125日。完全週休2日制+祝日+年末年始で約120日が目安です。

年間休日数がわからない場合は、就業規則や雇用契約書で確認できます。簡易的な目安としては、完全週休2日で約104日(52週×2日)に、祝日16日と年末年始3日を足すと約123日。 どうしてもわからないときは、「月給 ÷ (1日の労働時間 × 月の勤務日数)」で概算しても、最低賃金チェックの目安にはなります。

月給別の時給早見表で、自分の位置を確かめる

勤務8時間×22日(=月176時間)を前提にした、月給帯別の時給・日給・年収の早見表です。

月給時給日給年収
180,0001,0238,1822,160,000
200,0001,1369,0912,400,000
250,0001,42011,3643,000,000
300,0001,70513,6363,600,000
350,0001,98915,9094,200,000
400,0002,27318,1824,800,000
500,0002,84122,7276,000,000

※ 時給 = 月給 ÷ 176時間(四捨五入)。日給 = 月給 ÷ 22日(四捨五入)。年収 = 月給 × 12。

端数処理について、法律上の明確な規定はありませんが、当ツールでは四捨五入で計算しています。 最低賃金との比較では、1円未満を切り捨てて算出した時給が最低賃金以上であれば、コンプライアンス上は問題ありません。

あなたの月給と労働時間で、時給を計算してみる

月給・勤務時間・勤務日数を入力するだけで、時給・日給・年収を自動計算。最低賃金との比較も簡単にチェックできます

全国の最低賃金とぶつかっていないか

2025年度の最低賃金は全国加重平均1,121円。前年比84円増という過去最大の引き上げ幅で、全47都道府県で初めて1,000円を超えました。 意外と忘れがちですが、最低賃金は正社員にも適用される基準です。月給制であっても、時給換算した結果が最低賃金を下回っていれば、最低賃金法違反となります。

2025年度 都道府県別最低賃金マップ(全国加重平均1,121円)

(2025年度 最低賃金の全国分布イメージ)

都道府県最低賃金発効日
東京1,2262025/10/3
神奈川1,2252025/10/4
大阪1,1772025/10/16
埼玉1,1412025/11/1
愛知1,1402025/10/18
千葉1,1402025/10/3
京都1,1222025/11/21
兵庫1,1162025/10/4
北海道1,0752025/10/4
福岡1,0572025/11/16

※ 主要10都道府県を掲載。最低: 高知・宮崎・沖縄 1,023円。全国加重平均: 1,121円。

東京で働く正社員のケースを当てはめてみると、月給18万円・月176時間の場合の時給は約1,023円。 東京の最低賃金1,226円を大幅に下回っているため、月176時間勤務なら少なくとも月給215,776円(1,226円×176時間)が最低ラインです。 最低賃金は毎年見直されるので、改定期(10〜11月)には、自分の月給と新しい最低賃金を必ず照合する習慣をつけておきましょう。

1

月給から諸手当を除く

通勤手当・家族手当・時間外手当・賞与は最低賃金の比較対象外

2

月平均所定労働時間を計算

(365日 − 年間休日数) × 1日の所定労働時間 ÷ 12ヶ月

3

時給を算出して最低賃金と比較

時給 = (月給 − 除外手当) ÷ 月平均所定労働時間

⚠️ 最低賃金法違反:月給の時給換算が最低賃金を下回っている場合、50万円以下の罰金が科される可能性があります。 パート・アルバイトだけでなく正社員にも適用されるため注意が必要です。

時給は、残業代の出発点でもある数字

月給から計算した時給は、最低賃金チェックだけでなく、残業代の計算にも使われます。 労働基準法37条が定める割増賃金の基礎時給として、ここでも19条由来の計算が効いてきます。

労働の種類割増率条件
時間外労働× 1.251日8時間 or 週40時間を超えた場合
深夜労働× 1.2522時〜5時の労働
休日労働× 1.35法定休日に労働した場合
時間外+深夜× 1.50時間外労働が深夜帯に及ぶ場合

計算例:月給300,000円、月176時間の場合

基礎時給 = 300,000 ÷ 176 = 1,705円

残業代(1時間あたり)= 1,705 × 1.25 = 2,131円

深夜残業(1時間あたり)= 1,705 × 1.50 = 2,558円

どの手当を含めて計算するか——区分の話

最後にもうひとつ。月給と一口に言っても、その中身は「基本給+各種手当」で構成されています。 最低賃金との比較にあたっては、すべての手当を含めて計算するわけではないのがポイントです。

除外されるのは、通勤手当・家族手当・精皆勤手当・時間外手当・賞与など。 職務手当や技能手当のように「仕事の内容に対応する手当」は含めて計算します。 単に「自分の時給はいくら?」を知りたい一般的な目的なら、基本給+固定手当で割るのが現実的な目安になります。

時給という数字ひとつをとっても、根拠は労基法施行規則19条、応用は最低賃金チェック、さらには残業代—— いくつもの場面で使われる重要な指標です。気になる方は、計算ツールで自分の月給を入れて、時給と最低賃金の両方を一度に確認してみてください。

【免責事項】

本記事の内容は2026年3月時点の情報に基づく概算です。 最低賃金は毎年改定されるため、最新の情報は厚生労働省のウェブサイトでご確認ください。 実際の賃金計算・労務管理については、社会保険労務士または所轄の労働基準監督署にご相談ください。 本記事の情報に基づく不利益について、当サイトは責任を負いかねます。

参考資料

  • ・労働基準法施行規則 第19条(通貨以外のもので支払われる賃金又は平均賃金の算定に関する規定)
  • ・厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」
  • ・最低賃金法(昭和34年法律第137号)
  • ・労働基準法 第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)

記事に関連するツールを使ってみる

この記事で紹介した制度や計算について、自分のケースでは具体的にどうなるか、無料の計算ツールでシミュレーションしてみましょう。

関連ツールへ移動する