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税金・計算

預金利息の税金と源泉徴収を完全解説【2026年版】

高橋 健太
この記事の監修者・執筆者

高橋 健太 (Kenta Takahashi)

ファイナンシャルプランナー (FP2級) / Webライター

金融機関での実務経験を活かし、難しい税金や社会保険の仕組みを「誰にでも分かりやすく」解説することをモットーに活動しています。CalcEasyでは、ユーザーの皆様が自分のお金や制度について正確にシミュレーションできるよう、コンテンツの監修とツール設計のサポートを行っています。

預金利息の税金と源泉徴収を完全解説【2026年版】

通帳に印字されている預金利息——よく見ると、振り込まれた額面が「ぱきっと割り切れない数字」になっていることに気づきます。 その奥にあるのが、20.315%という一見ふしぎな税率。なぜこんな細かい小数がついているのか、どんな税が積み重なってこの数字になったのか、 本記事では20.315% という1つの数字を、ぐっと分解してみていきます。

「20.315%」という数字を、いきなり分解してみる

20.315% は、ひとつの税ではなく3種類の税が積み重なった合計です。 所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税の利子割5%——この3つを足すと、ぴったり20.315%になります。 個人と法人で税率が違ってくるのも、住民税分があるかどうかの違いです。

税目税率備考
所得税15%国税
復興特別所得税0.315%所得税の2.1%(15% × 2.1%)
国税計15.315%
住民税(利子割)5%個人のみ(地方税)
個人合計20.315%
法人合計15.315%地方税なし
預金利息にかかる税金20.315%の内訳(所得税・復興特別所得税・住民税)

(預金利息の税率内訳イメージ)

💡 ポイント:復興特別所得税は2037年12月31日までの時限措置です。廃止後は利息にかかる税金は20%(所得税15%+住民税5%)に戻ります。

預金利息は、その場で天引きされて終わる——源泉分離課税

預金利息は税法上「利子所得」と呼ばれ(所得税法23条)、個人の場合は源泉分離課税が原則です。 受取時に金融機関が20.315%を天引きして、そこで納税が完結。確定申告は不要——というより、原則として確定申告そのものができません。

利子所得に該当する主なものを並べると、次のとおり。

  • 預貯金(普通預金・定期預金・貯蓄預金など)の利子
  • 公社債(国債・地方債・社債)の利子
  • 合同運用信託の収益分配
  • 公社債投資信託の収益分配
  • 公募公社債等運用投資信託の収益分配
課税方式対象特徴
源泉分離課税(原則)預貯金の利子全般確定申告不可・天引きで完結
申告分離課税(例外)特定公社債等の利子確定申告で申告分離課税を選択可

⚠️ 注意:源泉分離課税の利子所得は他の所得と損益通算できません。 所得税の税率が低い方でも、利息に対しては一律20.315%が適用されます。

「自分の総所得は少ないから、確定申告で利息の税金を取り戻せるのでは?」という質問はよく聞かれますが、答えは原則ノー。 預貯金の利子は源泉分離課税なので、確定申告の対象外です。ただし特定公社債等の利子については申告分離課税を選べる例外があり、上場株式等の譲渡損失と損益通算できる場合もあります。

利息10,000円から、いくら引かれて、いくら残るのか

計算自体はシンプルですが、ひとつ覚えておくべきポイントがあります。 日本の源泉徴収では、合計税率20.315%を一括で掛けるのではなく、各税目ごとに「円未満切り捨て」で計算してから合算するルールです。 切り捨ての影響で、合計税率を一気に掛けたときと数円の差が出ることがあります。

1

所得税を計算

税引前利息 × 15%(円未満切り捨て)

2

復興特別所得税を計算

税引前利息 × 0.315%(円未満切り捨て)

3

住民税(利子割)を計算

税引前利息 × 5%(円未満切り捨て)

4

税引後利息 = 税引前利息 − (①+②+③)

3つの税額を合計して差し引きます

金額別の早見表で実感してみましょう。

税引前利息所得税(15%)復興税(0.315%)住民税(5%)税引後
10,0001,500315007,969
30,0004,500941,50023,906
50,0007,5001572,50039,843
100,00015,0003155,00079,685
500,00075,0001,57525,000398,425
1,000,000150,0003,15050,000796,850

※ 各税額は円未満切り捨てで計算。復興特別所得税は税引前利息 × 0.315%の切り捨て値。

ちなみに、この税率はずっと20.315%のままではありません。復興特別所得税は2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間の時限措置で、 2038年1月以降は廃止される予定です。廃止後の税率は20%(所得税15%+住民税5%)に戻り、利息に対する手取りがほんのわずか改善することになります。

銀行通帳の数字から、税引前の利息を逆算する

通帳に印字されている「税引後の利息」から「税引前の利息」を逆算したい——というシーンも実務ではよくあります。 ところがこれが、想像以上に厄介。各税額が個別に円未満切り捨てで計算される関係で、同じ税引後の額に対して複数の税引前候補が成立することがあるのです。

逆算の手順:

税引後利息 ÷ (1 − 0.20315) で概算の税引前額を求める

概算値の前後で、各税額を正方向に計算して税引後額が一致する候補を探す

完全一致する全候補を列挙する

💡 ポイント:当サイトの計算ツールでは、税引後→税引前の逆算に対応しており、一致する候補をすべて自動で列挙します。手計算では難しい逆算も簡単に確認できます。

通帳の数字を入れて、税引前後を計算する

税引前→税引後はもちろん、税引後→税引前の逆算にも対応。個人・法人の切り替え、マル優適用のシミュレーションも可能です

「20.315%」が当てはまらない人もいる——マル優の非課税枠

この一律の税率には、ひとつの抜け道——というより、救済的な非課税制度が用意されています。 障害者の方や遺族年金を受給している方などを対象とした「マル優」「特別マル優」と呼ばれる非課税貯蓄制度です。 マル優と特別マル優は別枠の非課税枠で、合計で最大700万円の元本から生まれる利息が課税対象から外れます。

マル優・特別マル優の非課税枠の仕組み

(マル優制度の非課税枠イメージ)

制度対象者非課税限度額対象資産
マル優障害者等元本350万円預貯金・合同運用信託等
特別マル優障害者等元本350万円(別枠)国債・地方債
財形住宅・年金勤労者合計550万円財形貯蓄

マル優の対象になるのは、以下のいずれかに該当する方です。

  • 身体障害者手帳の交付を受けている方
  • 障害年金を受給している方
  • 遺族年金を受給している方
  • 寡婦年金を受給している方

マル優を使うには、預金を預ける金融機関で「非課税貯蓄申告書」を提出する必要があります。 複数の金融機関で利用することも可能ですが、全金融機関の合計でマル優350万円が上限。 合算で限度額を超えた場合は、超過分が課税対象になるので、口座を分散しているなら全体の残高把握が大切です。

円預金以外の世界——外貨預金・特定公社債・NISAとの関係

最後に、似ているけれど扱いが違う金融商品をいくつか整理しておきます。

まず外貨預金の利息。これも国内銀行の取り扱いであれば、利子所得として20.315%の源泉分離課税の対象です。 ただし為替差益は別物で、雑所得として総合課税の対象となり、確定申告が必要になる場合があります。利息と為替差益、2つの税の入口があると覚えておくとよいでしょう。

次に法人の預金利息。法人には住民税の利子割(5%)が課されないため、源泉徴収されるのは15.315%のみ。 しかも法人の場合は最終的な納税額ではなく、法人税の申告時に税額控除として精算される仕組みです。 個人と法人で扱いが分かれる理由は、ここにあります。

勘違いされやすいのがNISA口座。NISAは株式・投資信託の譲渡益・配当金を非課税にする制度であって、預貯金の利子はNISAの対象外です。「NISA口座を持っているから銀行の利息も非課税」というのは誤解。 預金利息を非課税にしたい場合は、前述のマル優を使うか、そもそも金融商品の組み合わせを見直すかになります。

20.315% という細かな小数を分解して見ると、税の構造そのものが見えてきます。 通帳に印字された数字に小さな違和感を覚えたとき、計算ツールに金額を入れて、自分のケースで内訳を確かめてみてください。

【免責事項】

本記事の内容は2026年3月時点の情報に基づく概算です。 税法は毎年改正されるため、今後変更の可能性があります。 実際の税額・手続きについては、所轄の税務署または税理士にご確認ください。 本記事の情報と実際の税務処理が異なった場合、当サイトは責任を負いかねます。

参考資料

  • ・国税庁「No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)」
  • ・国税庁「No.1313 障害者等のマル優(非課税貯蓄)」
  • ・所得税法 第23条(利子所得)
  • ・復興財源確保法(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法)

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