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複利計算の完全ガイド【72の法則・NISAシミュレーション】

複利計算の完全ガイド【72の法則・NISAシミュレーション】

資産形成の基本となる複利の仕組みを徹底解説。 単利と複利の違い、お金が倍になる年数を瞬時に計算できる72の法則、 新NISAの非課税枠を活用した複利運用シミュレーション、 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の実績データまで、資産形成に役立つ知識をまとめました。

1. 複利とは — 単利との違い

複利とは、元本だけでなく利息にも利息がつく計算方式です。 一方、単利は元本にのみ利息がつく方式で、運用期間が長くなるほど複利との差が拡大します。

項目単利複利
利息の計算元本のみに計算元本+利息に計算
計算式PV × (1 + r × n)PV × (1 + r)ⁿ
100万円・年利3%・30年190万円約243万円

💡 ポイント:アインシュタインが「人類最大の発明は複利だ」と言ったとされるほど、 複利の威力は時間とともに指数関数的に増大します。運用期間が長いほど効果が大きくなります。

複利の基本公式

一括投資(年複利):FV = PV × (1 + r)n

複利頻度を考慮:FV = PV × (1 + r/k)nk(k = 複利頻度:月複利なら12)

実質年利の求め方:R = (1 + r/k)k − 1

PV = 元本、FV = 将来価値、r = 年利、n = 年数、k = 複利頻度

複利と単利の成長曲線の比較グラフ

(複利と単利の成長曲線の比較)

2. 72の法則と関連法則

72の法則は、お金が2倍になるまでのおおよその年数を暗算で求められる便利な法則です。 同様に、積立投資や3倍到達の法則もあります。

法則公式用途3%の場合5%の場合
72の法則72 ÷ 利回り(%)一括→2倍24年14.4年
126の法則126 ÷ 利回り(%)積立→2倍42年25.2年
115の法則115 ÷ 利回り(%)一括→3倍38.3年23年
190の法則190 ÷ 利回り(%)積立→3倍63.3年38年

72の法則の計算例

問い:年利5%で運用した場合、100万円が200万円になるのは何年後?

答え:72 ÷ 5 = 約14.4年

(実際の計算:100万 × 1.0514.4 ≒ 201.5万円)

3. 新NISA制度と複利運用

2024年から始まった新NISAは、運用益が無期限で非課税となる制度です。 複利効果を最大限に活かすための最適な器といえます。

項目内容
つみたて投資枠年間120万円
成長投資枠年間240万円
合計年間投資枠最大360万円
非課税保有限度額(生涯)1,800万円
うち成長投資枠1,200万円
非課税保有期間無期限
枠の再利用売却後翌年以降に簿価分復活
新NISAを活用した複利運用のイメージ図

(新NISAを活用した複利運用のイメージ)

NISAシミュレーション例

毎月の積立額運用期間想定利回り元本運用結果運用益
1万円30年3%360万円約580万円+約220万円
3万円20年3%720万円約985万円+約265万円
3万円30年3%1,080万円約1,748万円+約668万円
5万円20年5%1,200万円約2,055万円+約855万円
10万円15年5%1,800万円約2,672万円+約872万円

※ 運用益は税引前の概算値です。NISAを利用した場合、運用益は非課税です。

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4. GPIF運用実績 — 長期複利の実証

日本の公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、 長期分散投資による複利効果の実例を示しています。

項目データ(2025年12月末時点)
運用資産総額293兆4,276億円
年率収益率(2001年度〜)+4.71%
累積収益額+196兆3,721億円
資産配分国内債券25%・外国債券25%・国内株式25%・外国株式25%

💡 ポイント:GPIFの年率+4.71%を72の法則に当てはめると、 72 ÷ 4.71 ≒ 約15.3年で資産が2倍になる計算です。 長期・分散・複利の効果を実証するデータといえます。

5. 金利環境と実質金利

複利計算では、名目金利だけでなくインフレを考慮した実質金利も重要です。

項目現在の水準
政策金利(無担保コールレート)0.75%
普通預金金利(メガバンク)年0.3%
定期預金金利(平均)年約0.259%
消費者物価上昇率約2.1%
実質金利(名目 − インフレ)−1.35%

※ 2026年3月時点のデータです。実質金利がマイナスの場合、預金だけでは購買力が減少することを意味します。

フィッシャー方程式:

実質金利 = 名目金利 − 期待インフレ率

現在:0.75% − 2.1% = −1.35%

→ 預金金利が物価上昇率を下回っているため、預金だけでは実質的に資産が目減りします。

6. 金融庁推奨:資産形成の3原則

1

長期投資

複利効果は時間とともに加速します。20年、30年の長期運用が資産形成の鍵。

2

積立投資(ドルコスト平均法)

毎月一定額を積み立てることで、購入価格を平準化し、高値掴みのリスクを軽減。

3

分散投資

国内外の株式・債券・不動産に分散し、リスクを抑えながらリターンを追求。

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よくある質問(FAQ)

Q. 72の法則はどの程度正確ですか?
年利1%〜10%の範囲では非常に高い精度で近似できます。たとえば年利3%の場合、 72 ÷ 3 = 24年ですが、実際は約23.45年で2倍になるため、誤差は約2.3%です。 年利が20%を超えるような場合は精度が落ちるため、正確な計算ツールの使用を推奨します。
Q. 月複利と年複利ではどのくらい差が出ますか?
年利5%・100万円を10年運用した場合、年複利で約162.9万円、月複利で約164.7万円と、 約1.8万円の差が出ます。複利頻度が高いほど有利ですが、実務上は投資信託の基準価額に 日々反映されるため、個人投資家が意識する必要は少ないです。
Q. NISAとiDeCoはどちらが複利に有利ですか?
どちらも運用益が非課税のため、複利効果は同等です。iDeCoは掛金が全額所得控除となるため、節税効果も含めると有利な場合があります。ただし60歳まで引き出せない制約があるため、 資金の流動性を重視するならNISA、節税効果を最大化するならiDeCoとの併用が最適です。
Q. 複利効果を活かすには何年以上運用すべきですか?
一般的に10年以上の運用で複利効果が顕著になります。20年以上では元本を 大きく上回る運用益が期待でき、30年では運用益が元本の数倍になることもあります。 金融庁のデータでも、20年以上の長期積立投資では元本割れの確率が大幅に低下するとされています。
Q. 借金の複利は怖いと聞きますが、具体的にどう影響しますか?
複利は資産運用では味方ですが、借金では敵になります。たとえばリボ払いの年利15%では、 72 ÷ 15 = 約4.8年で借金が2倍になります。 クレジットカードのリボ払いや消費者金融の利息は複利で計算されるため、 早期返済が非常に重要です。

まとめ

  • 複利は「利息にも利息がつく」仕組みで、時間が最大の味方
  • 72の法則で資産が2倍になる年数を暗算できる(72 ÷ 利回り%)。
  • 新NISAは運用益が無期限非課税で、複利効果を最大化できる制度。
  • GPIFの実績(年率+4.71%)が長期分散投資の有効性を実証。
  • 現在のインフレ環境(実質金利−1.35%)では、預金だけでは資産が目減りする。

【免責事項】

本記事の内容は2026年3月時点の情報に基づきます。 シミュレーション結果は将来の運用成果を保証するものではありません。 投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。 投資判断はご自身の責任で行ってください。

参考資料

  • ・金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」
  • ・GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)「2024年度の運用状況」
  • ・日本銀行「金融政策に関する決定事項」
  • ・日本証券業協会「投資の基礎知識」

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