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税金・計算

相続税の計算と基礎控除を完全解説【2026年版】

相続税の計算と基礎控除を完全解説【2026年版】

「相続税って自分には関係ない」と思っていませんか? 実は日本では亡くなった方の約9%が相続税の課税対象となっています(2023年実績)。 2024年の税制改正で相続前の贈与ルールも変更されました。基礎控除の計算方法から申告手続きまで、相続税のすべてをわかりやすく解説します。

1. 相続税の基礎控除:まずここで課税対象かを判定

相続税には大きな非課税枠「基礎控除」があります。遺産の総額がこの金額以下であれば、相続税はゼロで申告も不要です。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数と基礎控除額の関係図

(相続人が増えるほど基礎控除額が増加。3人家族なら4,800万円まで非課税です)

法定相続人の数別・基礎控除額早見表

法定相続人の数基礎控除額相続人の例
1人3,600万円配偶者のみ(子なし)
2人4,200万円配偶者+子1人
3人(最も多いケース)4,800万円配偶者+子2人
4人5,400万円配偶者+子3人
5人6,000万円配偶者+子4人

出典:国税庁「No.4152 相続税の計算」

💡 ポイント:配偶者+子2人(3人)の家庭では基礎控除が4,800万円。遺産が4,800万円以下なら相続税はゼロです。 しかし土地・不動産を含む場合は意外と超えるケースも多いので注意が必要です。

2. 相続税率テーブル

課税遺産総額(遺産総額 − 基礎控除)を各相続人の法定相続分で割り当て、以下の税率を適用します。

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

出典:国税庁「No.4155 相続税の税率」

相続税の5ステップ計算フロー図

(課税遺産総額の算出から控除適用まで、5つのステップで相続税額が確定します)

3. 相続税の5ステップ計算フロー

1

課税遺産総額を計算する

(正味の遺産額 + 相続前7年内の贈与財産)− 基礎控除額

2

法定相続分で仮に按分する

課税遺産総額を各相続人の法定相続分で分割(配偶者1/2・子供1/2など)

3

各自の仮税額を算出し合算する

各自の分担額に税率テーブルを適用→合計して「相続税の総額」を算出

4

実際の取得割合で按分する

相続税の総額を、実際の遺産取得割合で各相続人に振り分ける

5

各種控除・加算を適用する

配偶者控除・未成年者控除・障害者控除・2割加算などを反映して確定税額を計算

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4. 主な税額控除・加算

(1)配偶者の税額軽減(最大の節税効果)

配偶者が相続する場合、次のいずれか大きい金額まで相続税がゼロになります。

  • 1億6,000万円
  • 配偶者の法定相続分相当額(遺産総額 × 1/2など)

例:遺産総額2億円、法定相続人が配偶者+子2人の場合、配偶者の法定相続分は1億円。 1億6,000万円の方が大きいため、配偶者が1億6,000万円以内を相続した場合は相続税ゼロ。

(2)未成年者控除

相続人が未成年(18歳未満)の場合、(18歳 − 相続時の年齢)× 10万円が税額から控除されます。

(3)障害者控除

  • 一般障害者:(85歳 − 相続時の年齢)× 10万円
  • 特別障害者:(85歳 − 相続時の年齢)× 20万円

(4)2割加算(兄弟姉妹等)

配偶者・子(代襲相続人を含む)・父母以外の方(兄弟姉妹・孫など)が相続する場合、 算出税額が20%加算されます。

5. 【2024年改正】贈与の持ち戻しルールが変更

⚠️ 重要な改正:2024年1月1日以降の贈与から、相続前の持ち戻し期間が3年から7年に段階的に延長されています。 亡くなる前7年以内に行われた暦年課税の贈与(相続人への贈与)は、相続財産に加算されます。 ただし延長された4年分(3〜7年前)については、合計100万円まで除外されます。

死亡時期持ち戻し期間
2026年12月31日以前3〜4年(移行期間)
2031年1月1日以降7年(完全適用)

まとめ

  • 基礎控除は3,000万円+600万円×相続人数。相続人3人なら4,800万円まで非課税。
  • 配偶者の税額軽減で、1億6,000万円または法定相続分の大きい方まで相続税ゼロ
  • 申告・納税の期限は相続を知った日の翌日から10か月以内。延滞税が発生するため絶対に守ること。
  • 2024年改正で贈与の持ち戻し期間が7年に延長。生前贈与の計画を早めに立てることが重要。
  • 相続税の計算は複雑なため、早めに税理士への相談を検討しましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q. 相続税の申告・納税の期限はいつですか?
相続の開始(被相続人の死亡)を知った日の翌日から10か月以内です。期限を過ぎると延滞税・無申告加算税が発生します。遺産分割協議がまとまっていない場合でも、とりあえず法定相続分で申告し、後日修正申告をする方法があります。
Q. 基礎控除以下なら申告しなくてもよいですか?
原則として基礎控除以下であれば申告不要です。ただし、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用する場合は、課税価格がゼロになる場合でも申告が必要です。また、相続前の贈与加算により課税価格が基礎控除を超える場合もあるため注意が必要です。
Q. 小規模宅地等の特例とは何ですか?
被相続人が住んでいた自宅や事業用地を相続した場合、一定の要件を満たせばその土地の評価額を最大80%減額できる特例です(330㎡まで)。例えば、評価額5,000万円の自宅が1,000万円として計算されます。申告が必要な点に注意してください。
Q. 生命保険金も相続税の対象になりますか?
被相続人が保険料を負担していた生命保険の死亡保険金は、「みなし相続財産」として相続税の対象になります。ただし、500万円×法定相続人数の非課税枠があります。相続人3人なら1,500万円まで非課税です。

【免責事項】

本記事の内容は2026年3月時点の情報に基づく概算です。 税法は毎年改正されるため、今後変更の可能性があります。 実際の税額・手続きについては、所轄の税務署または税理士にご確認ください。 本記事の計算結果と実際の税額が異なった場合、当サイトは責任を負いかねます。

参考資料

  • ・国税庁「No.4152 相続税の計算」
  • ・国税庁「No.4155 相続税の税率」
  • ・国税庁「No.4158 配偶者の税額の軽減」
  • ・国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」
  • ・国税庁「令和6年度税制改正(生前贈与加算の見直し)」

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