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税金・計算

賞与の源泉徴収税を完全解説【2026年版】

賞与の源泉徴収税を完全解説【2026年版】

ボーナス(賞与)からも所得税が天引きされますが、その計算方法は毎月の給与とは異なります。前月の給与額と扶養親族の数によって税率が決まる仕組みや、前月給与がゼロ・賞与が前月給与の10倍を超える場合の特殊計算まで、 賞与の源泉徴収税を網羅的に解説します。

1. 賞与の源泉徴収税とは

賞与(ボーナス・期末手当・年末手当など)を支払う際には、所得税および復興特別所得税を源泉徴収する義務があります。 毎月の給与には「月額表」を使いますが、賞与の場合は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用します。

給与との主な違い

項目月給の源泉徴収賞与の源泉徴収
使う表月額表算出率の表
求めるもの税額(円)税率(%)
基準当月の給与額前月の給与額
賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(税率一覧)

(賞与の源泉徴収税率の全体イメージ)

2. 算出率の表(甲欄・令和8年分)

扶養控除等申告書を提出している従業員は甲欄を使います。 前月の社会保険料等控除後の給与金額と扶養親族等の数から税率を求めます。

前月給与(社保控除後)0人1人2人3人
~68千円未満0%0%0%0%
68千~79千円2.042%0%0%0%
79千~94千円4.084%2.042%0%0%
94千~252千円6.126%2.042%0%0%
252千~300千円8.168%4.084%2.042%0%
300千~334千円10.210%6.126%4.084%2.042%
334千~363千円12.252%8.168%6.126%4.084%
363千~395千円14.294%10.210%8.168%6.126%
395千~427千円16.336%12.252%10.210%8.168%
427千~550千円18.378%14.294%12.252%10.210%
550千~600千円20.420%16.336%14.294%12.252%
600千~728千円22.462%18.378%16.336%14.294%
728千~781千円24.504%20.420%18.378%16.336%
781千~856千円26.546%22.462%20.420%18.378%
856千~1,028千円28.588%24.504%22.462%20.420%
1,028千~1,256千円30.630%26.546%24.504%22.462%
1,256千~1,740千円32.672%28.588%26.546%24.504%
1,740千~2,526千円35.735%31.672%28.588%26.546%
2,526千~3,495千円38.798%35.735%31.672%28.588%
3,495千円以上45.945%41.868%38.798%35.735%

💡 ポイント:扶養親族が4人以上の場合は、国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の原本をご参照ください。上記は代表的な0~3人の抜粋です。

乙欄(扶養控除等申告書の提出なし)

前月給与(社保控除後)税率
224千円未満10.210%
224千~295千円20.420%
295千~527千円30.630%
527千~1,118千円38.798%
1,118千円以上45.945%

⚠️ 注意:乙欄は扶養控除等申告書を提出していない場合に適用されます。 副業先の賞与や、主たる給与先に申告書を出していない場合は乙欄が適用されるため、税率が大幅に高くなります。

賞与の源泉徴収税の計算フロー(3ステップ)

(賞与の源泉徴収税 計算フロー)

3. 計算手順(通常のケース)

賞与の源泉徴収税は、以下の3ステップで計算します。

1

前月の社会保険料等控除後の給与を確認

前月の総支給額から社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料)を差し引いた金額です。

2

算出率の表から税率を求める

ステップ1の金額と扶養親族等の数を照らし合わせ、該当する税率(%)を特定します。

3

賞与から社保を引いた額 × 税率 = 源泉徴収税額

賞与の総支給額から社会保険料を差し引いた金額に、ステップ2で求めた税率を掛けます。

計算例

条件:前月の社保控除後給与 285,454円、扶養親族 3人、賞与の社保控除後金額 400,000円

ステップ1:前月給与 285,454円 → 算出率の表の「252千~300千円」の行

ステップ2:扶養親族 3人 → 税率 0%

ステップ3:400,000円 × 0% = 源泉徴収税額 0円

条件:前月の社保控除後給与 350,000円、扶養親族 0人、賞与の社保控除後金額 600,000円

ステップ1:前月給与 350,000円 → 「334千~363千円」の行

ステップ2:扶養親族 0人 → 税率 12.252%

ステップ3:600,000円 × 12.252% = 源泉徴収税額 73,512円

4. 特殊なケースの計算方法

(1)前月の給与がゼロの場合

入社月にいきなり賞与が支給されるなど、前月の給与がない場合は算出率の表を使えません。 この場合は以下の方法で計算します。

賞与(社保控除後)÷ 6(前回の賞与から6ヶ月以内の場合。7ヶ月以上なら ÷ 12)

①の金額を月額表(甲欄または乙欄)に当てはめて税額を求める

②の税額 × 6(または12)= 源泉徴収税額

(2)賞与が前月給与の10倍を超える場合

賞与の金額(社保控除後)が前月給与(社保控除後)の10倍を超える場合も、 算出率の表を使わず、前月給与がゼロの場合と同じ方法で計算します。ただし、月額表に当てはめる際に前月給与を加算する点が異なります。

賞与(社保控除後)÷ 6(または12)

①の金額 + 前月の社保控除後給与

②の金額を月額表に当てはめて税額(A)を求める

前月の社保控除後給与を月額表に当てはめて税額(B)を求める

(A − B)× 6(または12)= 源泉徴収税額

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5. 社会保険料の控除

賞与から控除される社会保険料は、月給の社会保険料とは計算方法が異なります。 賞与の場合は標準賞与額(賞与額の千円未満を切り捨てた額)に保険料率を掛けて算出します。

保険料の種類料率(2026年目安)上限
健康保険料(折半)約5%年度の累計573万円
厚生年金保険料(折半)9.15%1回150万円
雇用保険料(本人負担)0.6%上限なし

6. 賞与の手取り早見表

前月の社保控除後給与が300,000円、扶養親族0人の場合の手取り概算です。

賞与額面社会保険料源泉徴収税手取り概算
200,00029,50017,432153,068
300,00044,25026,148229,602
500,00073,75043,580382,670
800,000118,00069,729612,271
1,000,000147,50087,161765,339
1,500,000221,250130,7421,148,008
2,000,000295,000174,3221,530,678

※ 社会保険料は標準的な料率(健保5%+厚生年金9.15%+雇用保険0.6%=14.75%)で概算。税率は甲欄・扶養0人・前月給与300千円帯(10.210%)を使用。

7. 年末調整との関係

賞与の源泉徴収税はあくまで概算です。 12月の年末調整で1年間の所得税を精算し、過不足が調整されます。

  • 還付されるケース:扶養家族が途中で増えた場合や、生命保険料控除・住宅ローン控除がある場合
  • 追徴されるケース:年の途中で扶養家族が減った場合や、賞与の税率が実効税率より低かった場合

💡 ポイント:令和8年分以後「源泉控除対象扶養親族」の新区分が導入される予定です。16歳未満の扶養親族の取り扱いが変わる可能性があるため、最新情報をご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 賞与から天引きされる税金が月給より割合が高いのはなぜですか?
賞与の源泉徴収税率は前月の給与額をもとに算出されるため、年収ベースで見た実効税率に近い率が適用されます。月給の場合は月額表で段階的に税額が決まりますが、賞与は一括で高額になるため、税率も高くなる傾向があります。ただし、年末調整で精算されるため、年間で見た税額は同じです。
Q. 賞与の社会保険料に上限はありますか?
あります。厚生年金保険料は1回の賞与につき150万円が上限(標準賞与額の上限)、健康保険料は年度の累計額が573万円(協会けんぽの場合)が上限です。この上限を超える部分には保険料がかかりません。例えば200万円の賞与の場合、厚生年金の計算基礎は150万円に留まります。
Q. 前月の給与とは具体的にいつの給与ですか?
「前月」とは、賞与の支給月の前月に支払日がある給与です。例えば6月10日に夏のボーナスが支給される場合、5月に支払日があった給与が「前月の給与」になります。なお、前月に給与の支給が2回ある場合は後に支給された方を使います。
Q. 決算賞与も同じ方法で計算しますか?
はい、決算賞与・期末手当・業績手当など名称に関わらず、賞与として支給される場合は同じ「算出率の表」を使って計算します。ただし、前回の賞与から7ヶ月以上の間隔がある場合は、特殊ケースの計算で割る数が6ではなく12になります。
Q. 扶養控除等申告書を出し忘れた場合はどうなりますか?
扶養控除等申告書が未提出の場合は乙欄が適用されます。乙欄の税率は最低でも10.210%で、甲欄と比べて大幅に高くなります。提出を忘れた場合は速やかに提出し、年末調整で精算してもらいましょう。なお、2箇所以上から給与を受ける場合は、主たる給与の支払者にのみ申告書を提出します。

まとめ

  • 賞与の源泉徴収税は「算出率の表」で税率を求めて掛けるのが基本。月給の「月額表」とは別物です。
  • 税率は前月の社保控除後給与と扶養親族数で決まります。同じ賞与額でも税率が変わるので注意。
  • 前月給与がゼロ、または賞与が前月給与の10倍を超える場合は、月額表を使う特殊計算が必要です。
  • 賞与の源泉徴収税は概算であり、年末調整で過不足が精算されます。
  • 乙欄(申告書未提出)は税率が大幅に高いため、扶養控除等申告書の提出を忘れずに

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【免責事項】

本記事の内容は2026年3月時点の情報に基づく概算です。 税法は毎年改正されるため、今後変更の可能性があります。 実際の税額・手続きについては、所轄の税務署または税理士にご確認ください。 本記事の情報と実際の税務処理が異なった場合、当サイトは責任を負いかねます。

参考資料

  • ・国税庁「No.2523 賞与に対する源泉徴収」
  • ・国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」
  • ・国税庁「No.2520 2か所以上から給与をもらっている人の源泉徴収」
  • ・全国健康保険協会(協会けんぽ)「賞与にかかる保険料」

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